たいせつなもの
子どもの頃からずっと、こだわりが強い事で周囲からだるがられて除け者にされてきた。でも、そんな自分を殺さずに活かして生きていけるアートの世界が俺は大好きなんだ。
曲を作って褒められても、歌をうたって褒められても、友達はできなかった。
自分が本当に欲しいものは、抜群の歌唱力でも、ギターのテクニックでも、作曲のスキルでもないのかもしれない。
誰から認められたいわけでも尊敬されたいわけでもない。
憂鬱を消化するために歌にしたのが始まりだったんだ。
直接言っても聞いてもらえない言葉を聴いてもらうために歌詞にしたんだ。
本当はただ友達が欲しいだけだったのかもしれない。
本当はただみんなと同じ様に、振り返って懐かしむ事の出来る思い出が欲しかっただけなのかもしれない。
でもね、気がついたんだよ。上っ面だけの友達なんていないのと一緒だって。
一緒に遊びになんて行かなくても、誕生日祝いのプレゼントなんて渡さなくても、たまにしか会う事がなくたって、お互いに信頼し合える、お互いに尊敬し合える、どこで何してたって大好きな音楽でずっとずっと繋がっていられる、そんな大切な友達が1人でもいれば十分だって思えたんだ。
人間誰だって生まれた時には何もないから、何もない事が当たり前だって思えたら、あったかい飯を食って、あったかい布団で眠れるってだけで、十分に幸せを感じる事が出来るのかもしれない。
結局モノローグはモノローグのまんまだ。でもそれでもいい。
また今日も音楽に語りかけるんだ。
おはよう。